Microsoftで仕事を軽くする講座

区分3 エージェントに任せる★★★

No.07 エージェントとは

同じ説明や同じ調べ物を何度もしているなら、エージェントの出番です。この単元では、エージェントとCopilotの違い・作る場所・人に渡す前に確かめることを扱います。よく使う所なので、この回はしっかり読みます。
目次
  1. 第0章 前提知識
  2. 第1章 作る場所は2通り
  3. 第2章 エージェント ビルダーで1つ作る
  4. 第3章 資料を持たせる
  5. 第4章 共有の前に確かめること
  6. 確認問題

第0章 前提知識

① エージェント:役割と資料を持たせたCopilot 必ず覚える

エージェントは、Copilotに「あなたはこういう係です」という指示と、答えの元にする資料をあらかじめ持たせたものです。 話しかけ方はCopilotと同じで、チャットで質問します。

職場にたとえると分かりやすいと思います。 新人に毎回「うちの設計基準はね」と一から説明するのが、ふだんのCopilotです。 基準書を渡して「設計基準の質問係」になってもらっておくのが、エージェントです。

② ふだんのCopilotとの違い

ふだんのCopilot Chat(無料側)や有料のCopilotは、毎回あなたが頼み方と資料を添えます。 エージェントは、その頼み方と資料を最初に1回だけ決めて、保存しておけます。

違いは3つに整理できます。

○ よくある勘違い:「エージェント=勝手に仕事を進めてくれるロボット」ではありません。この単元で作るのは、質問されたら答える係です
○ 決まった手順を自動で回す仕組みは「フロー」と呼び、No.08(後で出ます)で扱います。エージェントは考えて答える係、フローは決めた通りに動く段取り、と分けておきます

第1章 作る場所は2通り

① Copilot Chatの中で作る(エージェント ビルダー) 必ず覚える

1つ目は、Copilot Chatの画面の中で作るやり方です。 公式ではこの作る画面をエージェント ビルダー(英語では Agent Builder)と呼んでいます。

Microsoft 365 Copilotアプリのチャット画面(microsoft365.com/chat など)や、Teamsのデスクトップ版・Web版から開けます。 スマホのアプリでは作れません。

作り方は、作りたい係を文章で説明するだけです。 説明に合わせて、名前・説明・指示が自動で埋まっていきます。 プログラムは書きません。

向いているのは、社内の資料を元に質問に答える係です。 公式も、オンボーディング(新しく入った人の案内)やプロジェクト情報の係を例に挙げています。

② Copilot Studioで作る

2つ目は、Copilot Studio という専用の道具で作るやり方です。 Webブラウザで copilotstudio.microsoft.com を開いて使います。

Copilot Studioは、エージェントに「動作」まで持たせたい時の場所です。 たとえば、社外のシステムとつなぐ・承認の流れを組み込む・社外の人向けのWebサイトに置く、といった事ができます。

その分、設定の項目が多く、IT部門の準備や別の契約が要ることがあります。 ここは会社ごとに違うので、使えるかどうかは社内で確かめてください。

③ どちらから始めるか 必ず覚える

公式の選び方は、次の3つの問いです。

  1. 社外の人が使う場所(お客さま向けのWebサイトなど)に置きたいか
  2. 外のシステムを動かす操作や、決まった業務の流れを組み込みたいか
  3. 指示と社内の資料だけで足りるか

1か2が「はい」ならCopilot Studioを検討します。 3が「はい」なら、エージェント ビルダーから始めます。

迷ったら、まずエージェント ビルダーで作ります。 後から足りなくなったら、作ったエージェントを Copilot Studio にコピーできるからです。 ただしコピーは「その時点の写し」です。元のエージェントを直しても、コピー先には反映されません。

○ よくある勘違い:「部署をまたいで大勢に使わせるならCopilot Studio」とは限りません。公式は、使う人の多さだけではCopilot Studioは必要にならない、と書いています
○ エージェント ビルダーの限界:外のサービスを動かす「動作」は作れません。また、作ったエージェントはTeamsのグループチャットや1対1のチャットの中では使えません

第2章 エージェント ビルダーで1つ作る

① 作る手順 必ず覚える

例として、架空の「試験報告書の書き方係」を作ります。 社内の報告書テンプレートと記入例を元に、書き方の質問に答える係です。

  1. Copilot Chatの画面の左側で「エージェント」から「新しいエージェント」を選ぶ
  2. 作りたい係を文章で説明する(下の例)
  3. 必要なら資料を足す(第3章)
  4. 試す画面で、実際に質問して答えを確かめる
  5. よければ「作成」を選ぶ

説明の例はこうです。

試験報告書の書き方を教える係を作りたいです。社内の報告書テンプレートと記入例2件を元に答えてください。答えには、根拠にした資料の名前を必ず書いてください。テンプレートに無いことは「資料にありません」と答えてください。

手で細かく設定したい時は、「構成」タブ(英語の画面では Configure)を開きます。 名前・説明・指示・資料・おすすめの質問を、自分で書き込めます。 最初から用意された型(テンプレート)から作ることもできます。

○ 画面の言葉:説明して作る画面は英語で Describe、試す画面は Try it と書かれています。日本語の画面での表記は、版によって変わることがあります
○ 文章で説明して作る機能は、対応している言語の時だけ使えます。使えない時は「構成」タブで手で設定します

② 試す画面で確かめる

作成を押す前に、試す画面で何問か聞いてみます。 資料に答えがある質問を出して、その資料が使われているかを見ます。

アップロードしたばかりの資料は「準備中」(Preparing)と出ることがあります。 準備が終わるまでは、その資料は答えに使われません。 数分待ってから試し直します。

第3章 資料を持たせる

① 持たせられる資料の種類

公式では、エージェントに持たせる資料を「ナレッジ」と呼びます。 主な種類はこうです。

種類 1つのエージェントに持たせられる量
公開されているWebサイト 4つまで
SharePointのファイル・フォルダー・サイト 100ファイルまで
OneDriveのファイル 50ファイルまで
パソコンから直接アップロードしたファイル 20ファイルまで
自分のメール(Outlook) 中身の範囲は絞れない
Teamsのチャットと会議 5チャット・5会議まで

SharePointは、社内でファイルを置いて共有する場所です。 OneDriveは、自分用のファイル置き場です。

② どの資料を使えるかは契約で変わる 必ず覚える

ここが一番つまずきやすい所です。 Copilot Chat(無料側)だけの人が無料で持たせられるのは、指示とWebの情報までです。

SharePointの資料やアップロードしたファイルを使うには、条件があります。 会社が「使った分だけ払う」課金(公式では従量課金制、英語で pay-as-you-go)を有効にしているか、有料のCopilotの契約が要ります。 メールやTeamsのチャット・会議を資料にするのは、有料のCopilotの契約がある人だけです。

あなたの会社でどこまで使えるかは、IT部門に聞くのが確実です。 契約の名前や区分は変わりやすいので、細かい所は公式で確認してください。

③ 資料は絞って持たせる

資料は多いほど良いわけではありません。 係の役目に要る物だけを選ぶ方が、答えがぶれにくくなります。

公式のコツは2つです。

「構成」タブには「指定したソースのみを使用」(英語では Only use specified sources)という切り替えがあります。 入れると、調べて答える質問では、あなたが選んだ資料を優先します。 ただし一般的な知識を完全に止める設定ではありません。完全に絞りたい時はCopilot Studioの出番です。

第4章 共有の前に確かめること

作った直後のエージェントは、あなた1人しか使えません。 「共有」を押すと、人を指定して渡せます。 渡す前に、次の3つを確かめます。

① アップロードしたファイルは、使う人全員が中身を見られる 必ず覚える

パソコンから直接アップロードしたファイルは、エージェントの中に埋め込まれます。 エージェントを使える人は、そのファイルの中身を元にした答えを受け取れます。

なので、渡す相手に見せてはいけない資料は、アップロードしません。 たとえば、顧客名入りの試験データや、未発表の設計変更の資料です。

② SharePointの資料は、相手の権限で答えが変わる

SharePointやOneDriveの資料は、使う人ごとの見る権限が守られます。 相手がその資料を開けない場合、エージェントはその資料を使わずに答えます。

つまり、あなたには答えられても、同僚には答えられないことがあります。 共有の画面で資料の共有もまとめて行えますが、あなたにその資料の共有権限がある時だけです。 うまくいかない時は、資料の持ち主かサイトの管理者に頼みます。

③ 渡す範囲と、会社のルール

共有には、編集もできる「共同の持ち主」と、話しかけるだけの「使う人」の2種類があります。 組織全体に公開する切り替えもあり、入れると社内の誰でも見つけて使えるようになります。

ただし、組織全体への公開を管理者が止めている会社もあります。 また、使う人の契約によっては、渡されたエージェントが使えないことがあります。 最初は、自分のチームの数人に「使う人」として渡し、答えを見てもらうのが安全です。

○ 共有の前のチェック:①アップロードした資料に見せてはいけない物が無いか ②相手が資料を開ける権限を持っているか ③渡す範囲は小さいか
○ 削除は取り消せません。消すと、共有した人も使えなくなります
○ 関係する単元:No.03(Copilot Chatと有料版の違い)。社内でのルールの確かめ方は No.10(後で出ます)で扱います

エージェントは「指示と資料を持たせて保存したCopilot」。迷ったらCopilot Chatの中のエージェント ビルダーで作る。人に渡す前に、アップロードした資料を相手に見せてよいかを確かめる。

確認問題

問1 部署の5人で使う「社内設計基準の質問係」を作りたい。資料は社内の設計基準書だけで、外のシステムを動かす必要はない。最初に選ぶ作り方はどれか。

問2 エージェント ビルダーで作った係に、パソコンから試験データのExcelを直接アップロードした。これをチーム全員に共有する前に、一番に確かめることはどれか。

問3 エージェントの「構成」タブで「指定したソースのみを使用」を入れた。この設定の説明として正しいものはどれか。

出典: - https://learn.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/copilot/extensibility/copilot-studio-experience - https://learn.microsoft.com/en-us/microsoft-365/copilot/extensibility/agent-builder - https://learn.microsoft.com/en-us/microsoft-365/copilot/extensibility/agent-builder-build-agents - https://learn.microsoft.com/en-us/microsoft-365/copilot/extensibility/agent-builder-add-knowledge - https://learn.microsoft.com/en-us/microsoft-365/copilot/extensibility/agent-builder-share-manage-agents - https://learn.microsoft.com/en-us/microsoft-365/copilot/extensibility/prerequisites - https://learn.microsoft.com/en-us/copilot/agents - https://learn.microsoft.com/en-us/microsoft-copilot-studio/fundamentals-what-is-copilot-studio - https://support.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365-copilot/build-your-own-agent-with-microsoft-365-copilot

お知らせ:2026-11-08時点の公式に基づく。エージェントの作る画面の名前・持たせられる資料の量・契約ごとに使える資料は、変わることが多い所です。