ここが一番混ざりやすい所です。 会社向けのCopilotは、入れた情報をAIの学習には使いません。 でも、やりとりの記録は会社の中に残ります。
たとえるなら、社内の打ち合わせ室です。 話した内容が外の会社の教材になることはありません。 ただし、議事録は会社の書庫に保管され、必要なら管理者が見られます。
基盤モデル(AIの土台になる大きな言語モデル)の学習について、公式はこう書いています。
Microsoft Graphは、あなたのメール・予定・ファイルなどをCopilotが探しにいく通り道のことです。 LLMは、文章を作るAIのことです。
Copilot Chatでは、会社のアカウントでサインインしているとエンタープライズ データ保護(Enterprise Data Protection、略して EDP)が付きます。 画面の上の方に緑の盾の印が出ていれば、この保護が付いている合図です。 この保護は、会社のアカウントでサインインした時に付きます。仕事では必ず会社のアカウントで使います。
Copilot Chatのプロンプトと応答は、監査(あとで確かめること)のために記録されます。 IT部門は、Microsoftの検索や監査の道具で、その記録を見られます。 記録をいつまで残すかは、会社が保持ポリシーで決めます。
Copilot Chatにアップロードしたファイルは、あなたのOneDrive for Businessに保存されます。 自分のやりとりの履歴は、マイ アカウントのページから自分で消すこともできます。
有料のCopilotは、社内のファイルやメールを探して答えます。 公式は、個々のユーザーが少なくとも表示アクセス許可を持っている組織データのみを表示する、と書いています。
裏を返すと、本来見えてはいけないファイルが「全社に公開」のままになっていると、Copilotはそれも探せてしまいます。 公式も、SharePointなどのアクセス許可を正しく設定することが重要だと書いています。 この見せすぎの状態を、公式の英語では oversharing と呼んでいます。
もう1つ、Web検索とエージェントは扱いが少し違います。 Copilot ChatはWebも調べて答えます。 その時Bingに送るのは、頼みの文から作った数語の検索語です。 あなたの名前や会社の識別子は含まれず、ファイルの丸ごとも送られません。
ただしBingの検索は、Microsoft 365とは別の約束(Microsoftサービス規約とプライバシーに関する声明)で扱われます。 検索語に社内の固有の名前が混ざりうることは、知っておきます。
エージェントを使う時は、そのエージェントのプライバシーに関する声明と利用規約を確かめるよう、公式は勧めています。 社外の会社が作ったエージェントは、特に確かめます。
○ よくある勘違い:「学習に使われないから、何を入れても大丈夫」ではありません。記録は残り、社内の権限の設定しだいで見える範囲も変わります
○ 公式は、生成AIの応答が100%事実とは限らないので、人に送る前に自分で確かめるよう書いています
○ 出典の公式ページでは、有料側を「Microsoft Copilot」と書いています。この講座の呼び名はNo.03と同じく「Microsoft 365 Copilot」です
最初に聞くのは「何を、どこまで使ってよいか」です。
次に聞くのは「何を入れてはいけないか」です。 ここは会社ごとの情報の区分で決まるので、公式の説明だけでは決められません。
設計の職場なら、顧客から預かった図面や、取引先の仕様書が迷いやすい所です。 自分で判断せず、区分ごとに聞いておきます。
最後に、会社側の準備を聞きます。
公式は、Copilotを広く入れる前に、見せすぎの解消・既定の守り(ガードレール)・規制への対応の3つを整えることを勧めています。 SharePoint Advanced Management や Microsoft Purview という管理者向けの道具を使う作業です。 あなたがやる作業ではありませんが、聞くと話が早く進みます。
聞き方の例はこうです。
業務でCopilot Chatを使いたいです。会社のアカウントで使えば、エンタープライズ データ保護の対象になると公式にあります。社内の情報区分のうち、どこまでを入れてよいか教えてください。あわせて、Web検索とエージェントの共有を使ってよいかも確認させてください。
Microsoftの導入の手引き(adoption.microsoft.com)は、広げ方を5つの段に分けています。
| 段 | やること |
|---|---|
| 計画(Plan) | 準備ができているかを見る。データの守りを整える。最初に効く場所を選ぶ |
| 実装(Implement) | アプリ・ネットワーク・設定を整え、最初の少人数に使えるようにする |
| 定着(Adopt) | 早い段階の利用を後押しし、エージェントの管理の決まりを作る |
| 管理(Manage) | 利用を測り、価値を示し、契約の数を見直す |
| 改善(Improve) | 守りを強め、組織全体へ広げる |
これは会社全体の話です。 あなた個人の立場では、次の順番に置き換えると動きやすくなります。
自分1人 → チームの数人 → 部署、と小さく試して、成果を数字で見せてから広げます。
最後の段は、公式の手引きの言い回しと同じ考え方です。 公式は、成果を追いかけて何を広げるか・直すか・止めるかを決めるよう書いています。
広げる時に効くのは、感想より数字です。 「便利でした」より「週報の作成が月に4時間減りました」の方が、上司もIT部門も判断しやすいからです。
数字は、作業ごとに「前」と「後」の時間を書くだけで十分です。 会社が有料のCopilotを入れている場合、管理者向けにはCopilotの利用状況を見るダッシュボードも用意されています。
○ 関係する単元:No.07(エージェントの共有の前に確かめること)、No.09(データ ポリシー)
○ 社内のルールが公式の説明より厳しい時は、社内のルールが優先です
入れた情報は基盤モデルの学習には使われないが、記録は会社に残る。Copilotが見られるのは自分が見られる物まで。仕事では会社のアカウントで使い、入れてよい情報の区分をIT部門に確かめてから、自分1人→チーム→部署と広げる。
問1 同僚が「Copilot Chatは学習に使われないんだから、何を貼っても記録は残らないよ」と言った。公式の説明に照らして正しいものはどれか。
問2 有料のCopilotに「A社向けの見積」を聞いたら、本来は営業部だけが見るはずのファイルの内容が出てきた。原因として最も考えられるものはどれか。
問3 自分の作業でCopilotが役立ったので、部署全体に広げたい。最初にやることとして合っているものはどれか。
出典: - https://learn.microsoft.com/ja-jp/copilot/plan/privacy-and-protections - https://learn.microsoft.com/ja-jp/copilot/microsoft-365/microsoft-365-copilot-privacy - https://support.microsoft.com/en-us/privacy/data-protection-when-using-microsoft-365-copilot-chat-for-work-or-school - https://learn.microsoft.com/en-us/copilot/microsoft-365/microsoft-365-copilot-minimum-requirements-rollout - https://learn.microsoft.com/en-us/microsoft-365/copilot/secure-govern-copilot-foundational-deployment-guidance - https://learn.microsoft.com/en-us/microsoft-365/copilot/agent-essentials/agent-essentials-overview - https://adoption.microsoft.com/en-us/copilot/
お知らせ:2026-11-08時点の公式に基づく。データの扱いの説明は契約の種類で変わることがあるため、公式は「具体的な制御とポリシーは、基になるサブスクリプション プランによって異なります」と書いています。